太古里にある大規模な商業開発は、中国の都市デザインの新境地を開くものです。従来のショッピングモールを建築するのではなく、歩行者用の通りに面して店舗を配置することで魅力的な街並みとより親しみやすい低層の建物が並ぶモールでショッピングできる空間にしています。中国における新規の開発では、こうしたアプローチは一般的ではないため、私たちの課題は、店舗レイアウトのアプローチの根拠を論理的に説明することでした。
小売店が並ぶ歩きやすい街並みという概念は、ハイストリート(目抜き通り)の起源にまで遡り、各店舗は通りに面した建物の正面が目立つことで利益が得られるというものです。私たちは、都市デザインの先例を理解するために、ショッピングという概念の歴史を研究しました。これらの情報をもとにを歴史的な文脈の中で太古里のデザインを提案し、開発するうえで現代の生活や文化を取り入れてデザインに命を吹き込んだのです。最初にコンテンツを開発し、それらを映像やグラフィック、インテリアに実装し尽くすことで、来場者が総合的に体験できる環境を提供しました。