トスカーナ州マレンマ地方の海岸沿いにある小さな半島に位置する、アルジェンターリオ・ゴルフ&ウェルネス・リゾートは、オルシーニ家の競技ゴルフへの情熱と自然への真摯な愛情を物語るものです。このリゾートは、イタリアで唯一のPGA公認ゴルフコースを確保し、ゴルフ好きに極上の体験を提供する一方、ウェルネス・プログラムでは、心と身体、その土地とそこに住む人々の暮らしなど、ウェルビーイングのあらゆる側面を考慮しています。
既存のブランドが現地での経験にもかかわらず、伝えきれていなかった隠れた魅力を明らかにするよう努めました。私たちのミッションは、リブランディングを通して、ブランド本来のポテンシャルを引き出し、その表現に活力を吹き込むことでした。
当初から私たちは、この地域の本質とビジネスの核となる価値観を発見するため、徹底的なリサーチを行いました。オルシーニ家のプロジェクトの中心において、自然環境に対する深く揺るぎない情熱と、2世代に渡って受け継がれてきた思いやりと保護に対する意識を掘り起こしました。このリサーチは、ブランド・ビジョンの開発の基礎となり、このリゾートの真のコミットメントを説得力のあるストーリーに変換しました。
息を呑むような風景と豊かな文化遺産を持つマレンマ地方は、このプロジェクトの戦略をクリエイティブに解釈するための理想的な舞台となりました。ビジュアル・アイデンティティは、ゴルフコースを取り巻く手付かずの大自然からインスピレーションを得ています。手描きのイラストには、ゴルファーのプレーエリアとさりげなくその生息地を共有する珍しい鳥やちょっと臆病な鹿などの野生動物が描かれています。チームは、インテリアデザインのクリエイティブ・ディレクションから、ビジュアルアイデンティティ、ウェイファインディング(案内・誘導に配慮した工夫、案内表示)、コミュニケーション、そして魅力的な体験を生み出すコンセプトまで、ゲストジャーニーのあらゆる側面に細心の注意を払って取り組みました。私たちが目指したことは、人間と自然の調和した関係が生まれる原始的で、ほとんど聖書に描かれているような無邪気な感覚を高め、ゲストが当然のようにこの類まれなる環境を尊重するよう促すことでした。
ブランディングの一環として、私たちはリゾートが行っている数々の素晴らしい取り組みをクリエイティブに伝えるためのプログラムに貢献しました。これらの取り組みには、地元の野生生物への配慮や、古代の在来作物を復活させてリゾートで提供するパンやパスタを作るための小麦粉を収穫するなどです。
こうした取り組みは現在、ゲストエクスペリエンスにおいて深い意味を持つタッチポイントとして統合されています。そして、ゲストが滞在中の楽しさや交流をソーシャルメディアで共有することで、アルジェンターリオの名前への関心を高めることにもつながっているのです。