屯門にある2つのショッピングモールからなるH.A.N.D.Sモールは1980年代、周辺に暮らす住民向けに建設されました。若者を魅了するエリアを目指し、周辺地域にエネルギーと活気を与えるためモールのアイデンティティを刷新するよう、オーナーであるリンク不動産投資信託基金(Link REIT)から依頼を受けました。既存のモール名を維持しつつ、2つ商業施設のために1つのユニークなアイデンティティを構築する必要がありました。
また、ファサードのスーパーグラフィックスの制作や、複数のブロックにまたがる複雑な人流のパターンを持つ施設レイアウトに対応するためのウェイファインディング(案内・誘導に配慮した工夫、案内表示)戦略の策定なども担当しました。
ユーザーのニーズを理解するために現場を徹底的に調査し、クライアントチームとプロジェクトに関わる建築家らチームとともにブレインストーミングを行いました。ブランディングとウェイファインディングの問題点を別々に解決するのではなく、ビジュアル・アイデンティティ、環境グラフィックス、サイン(目印、標識)を共通の言語で表現し、すべての点をシームレスに結ぶような総合的な解決策を探ったのです。
H.A.N.D.S.という名前は、もともと "Have a Nice Day Shopping"の頭文字をとったものです。その楽しさと親しみやすさを追求する精神を失わないのが、私たちの創造性に富んだソリューションでした。遊び心のある多彩なグラフィック・コミュニケーション言語のプラットフォームとなるビジュアル・アイデンティティ・システムを開発しました。
安定(On Ting)と友愛(Yau Oi)という2つの住宅団地を隔てる大通りに面したこの場所は、とても似た形状をしており、訪れた人々の方向感覚を混乱させていました。この問題を解決するために、私たちは2つの面にそれぞれ対照的な色付けを行いました。この計画では、複合施設を再編成し、センターコアを中心に5つのゾーンに区分けしました。各ゾーンには「H.A.N.D.S」のアルファベットを割り当てて、来場者が迷うことなく目的地に辿り着けるようにするとともに、ブランドの認知度を強化しています。