2008年8月にオープンしたジ・オポジットハウス(The Opposite House)は “初” の連続でした。スワイヤー・ホテルズにとって初のホテルであるとともに、建築家の隈研吾氏にとってもデザインした最初のホテル、さらに私たち自身にとっても初のホテル・ブランディング・プロジェクトでした。
このプロジェクトに着手してすぐに、私たちは数少ない「変化の瞬間」を迎えていると感じました。スワイヤー・ホテルズは、新世代の旅行者のニーズに応え、ホスピタリティ業界におけるラグジュアリーの新しい概念を創造したいと考えていました。
オープン当初から現在に至るまで、ジ・オポジットハウスは業界における国際的な指標となっています。「感動」「個性」「対照」「融合」 … これらのキーワードは、カッコ良さ(クールさ)を追求するホテルの基準となっています。
当初の目標は、ホテルチェーンにありがちな過剰なブランドイメージを排除し、控えめなブランド・アイデンティティを確立することでした。その点、隈研吾氏がデザインした建築やインテリアに見られる日本的な要素は、大きなインスピレーションの源となりました。
ブランド・アイデンティティは、ゲストの体験に浸透するものとなっており、ゲストの想像力を自由に掻き立ててくれます。
控えめで飾り気がないからと言って、力強さに欠けるわけではありません。私たちは、2つの “P” を組み合わせたシンプルなアイコンを相反する対称性を利用し、遊び心たっぷりに表現しました。このロゴマークは瞬く間に人気を博し、「キスする “P”(kissing Ps)」という素敵なニックネームがつきました。このニックネームの成り立ちは、ホテルのブランドストーリーにゲストを惹きつけるための最初のタッチポイントとして、サービスチームに広く活用されました。
自然光が降り注ぐオールデイ・ダイニングの「ビレッジカフェ」について、私たちはいくつかのキャラクターを作成し、色鮮やかなメニューにキャラクターの反復パターンを印刷しました。朝食メニューには太極拳の達人(「Morning Tai-Shi」)、アフタヌーンティーには芸者(「Lazy Afternoon」)、ディナーメニューにはインドのダンサー(「Evening Chill」)、ワインリストにはジャズマン(「Cheers」)が描かれています。